
30秒でわかる要点まとめ
・ポイント
回転中のビットに手が近づく作業では、手袋をしないのが基本ルールです。
・お読みいただきたい方
現場責任者、職長、安全管理担当者
電動工具を扱う作業員を指導する立場の方
・リスクへの備え
回転中は手袋を外すルールを決める
作業を「前・中・後」で分ける
個人判断ではなく現場ルールとして統一する
・この記事でわかること
回転工具の巻き込み事故を防ぐ3つの判断基準
ヒヤリ・ハット事例:回転部への接近で起きかけた巻き込み
建設現場で、インパクトドライバーを使ってコンクリートに穴を開けていたときの事例です。
作業員は壁に手を添えていましたが、
手袋をした手が回転しているドリルに近づき、巻き込まれそうになりました。
厚生労働省の事例でも、
・回転部に手を近づけたこと
・手袋をしていたこと
の両方が原因とされています。
回転する工具は、触れたものを巻き込む力があります。
そのため、手袋のような柔らかいものは特に引き込まれやすいのが特徴です。
なぜ「手袋=安全」が通用しないのか
手袋はふつう、手を守るための道具です。
しかし作業によっては、逆に危険になることがあります。
回転する工具では、
触れたものを巻き込む性質があるため、
布の手袋はリスクを高めてしまいます。
実際の事例でも、
「回転部に近づいたこと」+「手袋をしていたこと」
この2つが重なって危険が大きくなっています。
また、労働安全衛生規則第111条では、
ボール盤などの回転する刃物について
手袋の使用を禁止しています。
インパクトドライバーはこの条文の対象機械ではありませんが、
回転部への巻き込みを防ぐという考え方は共通です。
なお、この条文がインパクトドライバーを直接規制しているわけではなく、本記事では回転部による巻き込み防止という共通のリスクに基づいて整理しています。
そのため、
回転中のビットに手が近づく作業では、手袋をしない
というルールが必要になります。
現場での運用は「原則」と「工程分解」で決める
安全対策で大事なのは、
「全部ダメ」でも「各自判断」でもないことです。
まず基本として、
回転中に手が近づく作業では手袋をしない
と決めます。
そのうえで、作業を分けます。
・運ぶとき → 手袋あり
・作業中 → 手袋なし
このように工程ごとに使い分けることがポイントです。
そして最も重要なのは、
これを個人の判断にしないことです。
KYや作業手順書で決めて、
全員が同じやり方で行うようにします。
さらに、手袋を外すだけでなく、
手を回転部に近づけない工夫も必要です。
・材料は手で持たず、クランプで固定
・添え手を回転部分の近くに置かない
・ビット交換は必ず停止してから
・ゴミは手ではなくブラシで除去
(※ブラシ等の使用は安衛則108条3項の考え方に対応)
また、手袋を外すことで手をケガしそうな場合は、
・作業を止めてから行う
・持ち方を変える
・道具を使う
といった方法でカバーします。
参考
厚生労働省 職場のあんぜんサイト ヒヤリ・ハット事例
インパクトドライバーを使用中、手袋をはめた手がドリルに巻き込まれそうになった
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/index.html
よくある質問(FAQ)
回転中に手が近づく作業では、しないのが基本です。
個人判断ではなく、現場ルールで決めることが重要です。
大きさではなく、回転しているかどうかが重要です。
さらに、手が回転部に近づく可能性や材料の固定状態、持ち方によってもリスクは変わります。
そのために、工程ごとに使い分けることが大切です。
必要に応じて、保持具や治具の使用、停止後作業への切り分けも検討します。
※本コラムに掲載している図解は、一般的な仕組みや考え方をわかりやすく説明することを目的としたイメージ図です。具体的な補償範囲、支払可否、条件等は各契約内容および事故状況等により異なります。
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